Photo No. 12


明日の早朝に、この岬からフェリーで合衆国に向かうことになっていた。 その意味で、今日の夕日がこの国で見る当面は最後の夕日になると思い立ち、この岬までやってきた。 風は冷たかったにもかかわらず、ファインダー越しに写る日差しはとても暖かかった。 ファインダーの中を一艘のヨットが音もなく、滑るように通り過ぎていく。 ほんの一瞬の出来事ではあったけれど、とても平和な風景だった。 観光地であるにもかかわらずビクトリアの町並みもとてもおちついている。 人生の午後を過ぎたあたりで、こんな街の目抜き通りをはずれたところで静かに一生を終えられたら、 さぞ幸せだろうかと思う。

Caption in Japanese


Lens:Konica Hexanon AR 200mm F4 X 2 TeleConverter
Specs: F16 (F8 X 2), 1/16
Film: Fujicolor REALA 100 (CA)
Date:October, 10, 1990
Place:Ogden Point / Victoria, British Columbia, Canada