Photo No. 4


アイルソンビジターセンターから、遠く氷河を望む。 アラスカ、マッキンリーの山々は険しく男性的だが、時折スロープの美しい稜線に出会うこともある。 今朝早くライリークリークのキャンプ場を発って、すでに5時間がたっていた。 バックカントリーを歩けるだけの装備があればぜひこのあたりをもっと歩きたかった。 写真家、玉田勇氏にここでお会いした。「ずいぶんめずらしいカメラを使っているんだね」 と声をかけていただいた。

覚えちがいがなければ、このレンズ(Hexanon AR 200mm F4)はHexanon 200mmの最後のモデルだ。 Hexanonにはこの製品の前に2つの200mmがある(共にF3.5)。 数多くのユーザーの評によると、このレンズは残念ながら最前期モデルの200mmに及ばない。 自分もこのレンズは20年以上使っているが、確かに赤系の色再現性があまり芳しくないように思われる。 解像度もどちらかといえば甘目で、値段からすれば「そこそこ」というのが印象だった。 そんな「廉価版200mm」といえど、条件をうまくあわせれば時折かなりのショットを手にすることができた。 天候、空気の澄みぐあい、赤系の色彩をもつものが画面にないこと(青系とは相性が良いと思う)、F8以上に絞ること、それにきめの細かいフィルム。 まあ、なかなかそんなにすべての条件を同時に満たせる時はないけど、それだって確率の問題で、全くないってわけではなかった。 特に現在ではもう手に入らない往年のコダックEktar25や Royal Gold 25という超スロースピードのネガフイルムとの相性は、 自分の知っている限り抜群だった。

Caption in Japanese

Lens: Konica Hexanon AR 200mm F4
Specs: F8, 1/15, PL filter
Film: Kodak Royal GOLD 25 (RZ)
Date: August 15, 1994
Place: Eielson Vistor's Center / McKinley Nat'l Park, Alaska, United States