ようこそ南の国へ。
個人的な事情で、マイアミ、タンパ、バンコク、沖縄といった常夏の地を訪れる機会が多い。
どういうわけか到着は夜遅く、飛行機が滑走路に降りる頃はいつでも陽が落ちてからからだった想い出が多い。
搭乗ゲートに降り立った瞬間の熱気と高い湿度の洗礼が南国への到着を告げているにもかかわらず、
それを実感させてくれるのはいつだって空港を出たあとはじめて目にする椰子の木だった。
そう、街中ではじめての椰子の木との出会いが僕の中での南国への到着になっている。
こうこうと灯るオレンジ色の街灯の下であったり、はたまた車のヘッドライトの中に浮かぶものであったりと状況はさまざまなのだけど、
それでもそれが、彼の地で目にする最初の椰子の木であったことにかわりがないのだ。
それが建物の中での空調のようにごまかしが効かないものであるからだろうか。
それぞれの南の国で出会う椰子の木は僕の中で、そういう重要な意味を持っている。
Lens: Konica Hexanon AR 24mm F2.8
Specs: F11, 1/30, PL filter
Film: Kodak Royal Gold 100 (RA)
Date: August 12, 1999
Place: Miami, Florida, United States