Photo No. 001


マイアミのダウンタウンからみて北東側、ビーチに沿って「アールデコ調」という独特の風貌をもった建物が集まる地域がある。 1920年代というから、ちょうど第一次世界大戦が終わってすぐの頃、この国がその栄華を極めていた時代に流行した建築様式だ。

ちょっと見にはその栄華の時代から取り残されてしまったかのように存在するそれらの建物も、 いまは強い日差しの中で思いのほかこの南国の地に溶け込んでいた。

古い建物だけどよく手入れがされていた。静かな印象の中にも、 その大きく開けられた窓にこの街に住む人たちの気配を感じた風景だった。

この時は建物の前の門の格子の隙間から、椰子の木を建物左右両側に適度なバランスとボリュームで配置したかったのでこのレンズ を使った。 本来ズームレンズはあまり好きではないのだけど、それでもこの時の様に被写体とこちらの位置関係にあまり選択の余地がないときは とても重宝する。

このZoom Hexanon AR 35-70mm F4はHexanonの最後の35-70ズームだったと思う。 FS-1の広告に良く出てきた先代の Hexanon35-70 F3.5は焦点距離と焦点は一つのリングで同時に調整するものだった。 このズームは2リング式で焦点距離と焦点は独立して調整できるので風景のような静的な被写体をじっくり撮るのに向いている。 ただ焦点調整リングにそのままフイルターを取り付ける 構造になっているため、PLのようなフイルターを使っていると焦点調整のつどフイルターの調整が必要になる。 先代と比べてほんのちょっと明るさが落ちたけれど、レンズの全長は短くなり、発色はむしろ鮮やかになった。 この作品からも見て取れるように色抜けはかなり良い。

Lens: Konica Zoom Hexanon AR 35-70mm F4
Specs: F11, 1/30, PL filter
Film: Kodak Royal Gold 100 (RA)
Date: August 12, 1999
Place: Miami Beach / Miami, Florida, United States