Photo No. 9


降りしきる雪から追われるようにしてたどり着いた湖。 峠から下ってきたせいか、まだここらの芝生は雪にはおおわれていなかった。 晴れていれば湖の向こうに氷河がみえているはずだった。 十月に入っていたので、観光客の姿もすでにまばら。 ここでスナップを撮っていると窓の外も雪に。 観光シーズンもどうやら終わりのようで、冬支度がはじまっていた。

実際に自分の目で見た色の印象をプリントした時まで持ち越せるのは意外に難しいことなのだけど、 廉価なレンズでありながら、そんなところをあっさりこなしてしまう独特の力がこのレンズにはある。 「ズームレンズは邪道だよ」という個人的な信条の他に、ズームレンズゆえのフォーカスの甘さ、 といった欠点もあるのだけど、そんなこともあって、時折このレンズを手にする。

シャープさを優先させたら、他の標準レンズあたりの方が良かった。 この時は、建物の中であまり自由に引きが取れなかったことに加えて、雪が舞い下りる中でも鮮やかな芝と 針葉樹の深い緑、そして、氷河湖独特の目の覚めるような水色をどうしても残しておきたかった。

Caption in Japanese


Lens: Konica Zoom Hexanon AR 35-70 F4
Specs: F4, 1/16
Film: Fujicolor REALA 100 (CA)
Date: October 2, 1990
Place: Chateau Lake Louise / Lake Louise, Alberta, Canada