Photo No. 8


ジャスパーの町の外れにたたずむ一本の木。 ふと目を奪われ思わずシャッターを切った。背景に広がるロッキーの山すその木々と、この木のすぐ 後ろに広がる森の木々のささやきさえ聞こえてきそうな、そんな風景だった。今でも結構強烈に覚えて いる一コマ。よく見ると、熊だか、鹿だかが付けた跡が根元の方に残っていた。

このレンズは開放での描写がいまひとつといったところだが、この時だけはバックの山裾をきれいにぼかすためにあえて開放にした。 ちょっと長めの望遠で近距離の被写体を撮ると、このクラスのレンズでもわりと絵をきれいにつくってくれる。 速度の遅いフィルムを使えばもっといいものが出来たかもしれない。 最近のメガピクセルのデジタルカメラは描写力がもの凄いけれど、だからと言ってそれがいい絵を作ってくれるかというと、それはまた別の話。 Hexanonのレンズは、多少の例外はあるとは思うものの、しっとりとした、どちらかというとやさしい質感を表現するのに優秀なレンズだと良く聞く。 この時もNikonあたりのかっちりした像を結ぶレンズとはちがって自然でありながらそれでいてソフトな質感を表現してくれたと思う。 Hexanonのレンズはこんなところでまだ多くのファンを持っていると聞きました。なるほど。

Caption in Japanese


Lens: Konica Hexanon AR 200mm F4
Specs: F4, 1/30, PL filter
Film: Kodak Royal Gold 400 (RC)
Date: September 30, 1990
Place: Jasper, Alberta, Canada

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