桜というと「お花見」というイメージがつきまとうけれど、この花だけは自分ひとりで見に行きたいという想いがどこかにある。
たとえば、深い緑の杉に囲まれた中で人知れず春の短い一時だけ花を咲かせる桜の木。
自分がまだ日本で学生だった頃、自宅近くの図書館で手に取った竹内敏信氏の写真集にそんな孤高の桜が写った一枚があった。
たった一度目にしただけなのに、もう何十年も自分の記憶から消えることが無い。
写真の本当の名作とは、きっとそういった一枚のことを言うのだろう。
Lens: Konica Hexanon AR 135mm F3.2
Specs: F11, 1/30, UV filter
Film: Kodak Ektar 100 (CX)
Date: M