Photo No. 014


フィルムで撮っていると、商業向けの撮影がみなデジタルに移ってしまったことの必然性を思い知らされる。
フィルム一本撮り終わるまで現像には出さないことが殆どだし、撮影が終わった後ですら、プリントを手にするまでに地元の写真店に2往復かかる(同時プリントを依頼することはほとんど無いので)。

極めつけは、撮影した時点で「あがり」が確認できないこと。

時間も、お金も、それに、失敗というリスクの三重奏。今時プロでこんなオーバーヘッドを正当化できる方は殆どいないのではないだろうか。

逆に言えば、フィルムで撮る写真は趣味でこそ楽しむべきものになったのではないかと最近思っている。
ちょうど航空機での旅行がとても身近になったいま、敢えて鉄道での旅行を楽しむ人々がすくなからずいるように。

枯れ葉の下に横たわる灰色のコンクリートが、現像から上がってくると想像してもいなかった青い光につつまれていた。

ちょうど航空機での旅行がとても便利になった今、鉄道での旅行を思う人が、おそらく、いなくらないのと同じ理由でフィルムでの写真も今後なくならないことを願っています。

Lens: Konica Hexanon AR 50mm F1.7
Specs: F5.6, 1/30, UV filter
Film: Kodak Ektar 100 (CX)
Date: February 20, 2011
Place: St. Louis, Missouri, United States