Photo No. 7
そこは統一され、とても整然とした幾何学的な美しさが支配する世界だった。
心の安らぎの場、というより寧ろ張り詰め、緊張した世界。そんな言葉に表される場所が、自分が初めて訪れたイスラムの寺院の印象だった。
ヒンズー教の寺院で見かける、とても分かり易い寺院のイメージとは大きくちがってそこには神様の姿は全く無い。
わかり易く絵画で示されるかわりに、すべてが観念に支配される。そんな「寺院」だった。
人は誰でも不幸や困難に遭うと、暖かい安らぎを求めるものであって、それに答えたものが宗教だと、不覚にも誤解していたことを思い知らされる。
不幸や困難に遭ったときに、癒しをもとめて救われようとするのではなくて、それら不幸や困難に対峙を求める宗教もある、ということを初めて知った。
少し大袈裟かもしれないけれど、イスラムの寺院にそんな彼らの考え方を見たような気がした。
Lens: Hexanon AR 24mm, F2.8
Specs: F8, 1/125, PL filter
Film: Kodak Ektar 100 (CX)
Date: November 1, 2010
Place: Kuala Lumpur, Malaysia
Last Updated on 12:03 P.M. / October 25, 2010.