Photo No. 75


三つ子の魂百まで。

まだ自分が子供の頃、使っていた機材は親が持っていたFC-1と40mm一本だけの組み合わせだった。 暫くするとワインダー内臓のFS-1というボディと35-70 f3.5 というズームレンズの組み合わせがとても欲しくなった。 特に35-70のズームは1リング式のすっきりしたデザインがとても気に入っていた。

中学生の自分にはとても手の届かないものであることはわかっていた。 3年の時の修学旅行をダシにしてズームの方は何とか親に買ってもらうことができたが、 時すでに遅し、すでに二代目である35-70 f4.0に移行していた。 新宿に買いに出かけて、喜び勇んで箱を開けた時に出てきた二代目35-70にとてもがっかりしたのを 今でも昨日の事のように思い出す。

それから数十年の時が経ち、つい先先月にFS-1と35-70 f3.5をオークションで手に入れた。 両方とも不動品を落札し、自分で修理したので落札からその組み合わせでテストショットに 漕ぎ着けるまでに2ヶ月近く係ってしまった。 特にFS-1の方は何とか動作するようにはなったものの、シャッター速度がいまだに多少不安定。 安いコダックのフィルムを詰めて、近くの植物園に向かう。

フィルムが現像からあがって来たときは、久しぶりにどきどきした気分になった。 スキャナでネガから吸い上げて、画像がモニタに現れてきた時は本当にうれしかった。 何十年も以前、中学生の自分が夢見た機材の組み合わせが自分の手で甦ったことを確認できた瞬間だった。

上のショットはその時の初めてのテストショットのもの。

FS-1の方も少しづつだけど、シャッター速度が安定して来ている。 撮影行のバックアップ機への昇格が今からとても楽しみだ。

Lens: Konica Zoom Hexanon AR 35-70mm F3.5
Specs: F8, 1/125, PL filter
Film: Kodak Super Gold (also known as "Gold Ultra") 400 (GC)
Date: April 2, 2012
Place: St. Louis Botanical Garden, Missouri, USA